基本的に、個人再生や任意整理の場合、持ち家は手放す必要ありませんし、車も持ち続けることが出来ます。しかし、当然、生活は変わります。良くなる点も不便になる点もあります。
債務整理をしてから変わった点
良かったこと
借金の返済が無くなる
一番良かったことは、借金の返済が無くなったことです。受任通知がでると、債権者は債務者に対して返済の督促をすることが出来ません。また、受任通知を出して、債務整理の手続を始めてからは、特定の債権先だけに返済を続けることは「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と言って、禁止されています。これは、個人再生はすべての債権を1/5程度に圧縮して残りを3年から5年で返済するスキームであるため、一部の債権のみ返済してしまうと、債権者の間で不平等が生じるためです。
一度受任通知を出して、債務整理を始めてしまえば、クレジットカードの支払も、カードローンの支払いも、すべてを停止しなくてはいけない事になります。
債務整理をしようと思って弁護士さんのところに駆け込むときには、クレジットカードの支払やカードローンの支払いって、月10万円以上になっていると思いますので、これがまるまる止まるというのは凄く助かります。
クレジットカードのショッピング分の支払停止は当然1ヶ月分か、せいぜい2ヶ月分ですが、ここで浮いたお金で弁護士さんへの着手金を捻出することが出来ました。
毎月の支払いが可視化される
うちの場合、家族がクレジットカードの家族カードを持って買い物をしていたことから、クレジットカードの明細書がでるまで、一体誰がいくら使っているか分からない状態にありました。時にはそれが合算すると20万円を越えるようなこともあったのです。給料の手取りは住宅ローン支払後は35万円程度ですので、20万円以上、時には30万円近く無くなってしまうと大変辛かったですし、蓋をあけるまでいくらだか分からないという状況は結構ヘビーでした。債務整理手続き開始後は、クレジットカードが使えませんので、家族カードの代わりに家族には月15万円を定額で渡すようになりました。
これで毎月の支払額が事前に概ね読めるようになりました。もちろん臨時出費はありますが、事前に読めるようになるだけで大分気持ちが楽になります。もちろん定額支払額は今までの支出額よりかなり少ないですので、金額的にも楽になっています。
家族には、収入額と固定支出額を伝えて、この金額で我慢してもらっています。
不便になった事
今まで、クレジットカードの利便性を最大限享受していましたので、不便になったこともたくさんあります。
Suicaや電子マネーのオートチャージが使えない
今まで、交通費やコンビニでの支払いはすべて電子マネーに頼っていました。しかも、SuicaやEdyはオートチャージと言って、残高が一定額以下になると、自動的にクレジットカードから一定額がチャージされる仕組みを持っています。これだと、電車やコンビニの支払いはお財布を気にせずに乗り放題、買い物放題です。
クレジットカードが使えなくなると、電子マネーへのチャージは券売機やコンビニのレジに行って都度現金で行わなければなりません。
地味に面倒くさいですが、電車賃やコンビニでの買い物額を意識する上ではむしろ良かったかもしれません。
公共料金を都度支払わなければならない
公共料金も一緒で、今まではクレジットカード経由か銀行の自動引落で無意識に支払いが完了していましたが、受任通知を出した後は銀行口座が凍結されますので、電気、ガス、水道、携帯電話、ケーブルテレビそれぞれをコンビニの伝票で支払わなくてはいけません。携帯電話などは家族全員分だとそれなりの金額になりますので、支払期限までに銀行に残高が残って無くてはいけません。
これも地味に面倒くさいですが、支払金額をいつも意識できるので節約意識が芽生えてきます。
お小遣いは極小化しなくてはいけない
家族へ渡すお金を減らしているのに、私だけ今まで通りお金を使い続ける訳にはいきません。自分のお小遣いも極小化する必要があります。昼食はお弁当を作って持参、居酒屋も安いせんべろ居酒屋にして、会社の付き合い飲み会も極力回避するようにしました。
今まで、年に1-2回は家族で旅行に行っていたのですが、これも暫くは我慢です。
土日はバイトもするようになりました
弁済費用の足しになるようにと、土日はバイトもするようになりました。展示会会場の会場設営・撤去の仕事で、結構な肉体労働です。でも、月に5-6回やれば4万円ぐらいにはなりますので、かなり助かります。
バイト帰りに安居酒屋に寄ってホッピーを飲むのが唯一の安らぎになってきました。
こんな毎日ですが、3年の我慢ですので、何とか完済を目指したいと思います。